【東北】温泉街の散策が楽しい温泉地ランキング
ゆこゆこネット利用者の声から「温泉街の散策」を基準に東北のオススメの温泉地をご紹介。お土産処や食事処などが軒を連ね、浴衣姿でブラブラ散策できる温泉地がランクイン。
更新日:2024/12/2
出羽三山のひとつに数えられる月山の麓から流れる銅山川沿いに、共同浴場や温泉宿が立ち並ぶ。温泉街一帯には、遥か昔に湯治場として栄えていた当時の様子を偲ばせるような、ひなびた雰囲気が漂う、趣きのある景観が魅 力。 長い年月を経て愛されてきた肘折の湯にまつわる名所も点在しており、名所を巡るのも楽しみのひとつ。例えば、肘折温泉を発見した老僧が住んでいたと伝えられている「縁結び地蔵倉」や、この地に歌を残した斎藤茂 吉の歌碑、源泉が噴出するドームがある源泉公園など。 さらには、温泉療養相談ができる入浴施設を設けた肘折温泉の観光情報センターや、大蔵村の食文化を新旧織り交ぜて紹介する施設もあり、初めて訪れる人にも優しい。
温泉街の最奥には、200人が同時に入浴できるという「大露天風呂」。4段に設けられた岩造りの野趣あふれる湯船に、乳白色のお湯がこんこんと湧き出る。街角のいたるところから立ち上る湯煙。1つ路地を入れば、昔ながらの旅館や土産物屋が立ち並ぶ。 温泉街の中にも、情緒ある共同浴場が3軒。温泉神社入口の「上湯」、温泉街の中心に建つ「上湯」にひっそりと佇む「川原湯」は地元の人たちの憩いの場。かけ流しの源泉と方言で交わされる会話に、東北の温泉に来た喜びが込み上げる。 周辺にはその名の通り、山形蔵王の大自然。シンボル「御釜」をはじめ新緑に紅葉、スキーと幻想的な世界が広がる樹氷や雪の回廊が1年を通して出迎えてくれる。
鳴子、秋保とともに「奥州三名湯」に数えられる、東北屈指の温泉地。 2世紀には日本武尊が東征の時に、1689年には松尾芭蕉が奥の細道の途中に立ち寄ったとされる古湯だ。その日本武尊や松尾芭蕉も浸かった「鯖湖湯」は飯坂温泉のシンボル。明治22年に建築された旧鯖湖湯は日本最古の木造建築共同浴場だったが、平成5年に改築。旧鯖湖湯を忠実に再現した現在の鯖湖湯には、与謝野晶子が「我浸る寒水石の湯槽にも 月のさし入る飯坂の里」と詠んだ“寒水石”も再利用されている。 他にも昔からの共同浴場が8軒揃い、今も昔も地元の人たちや観光客の憩いの場として親しまれている。のんびりとした空気と風情を感じられる町の雰囲気を楽しみながら湯めぐりをするのもよい。
クジラ目、たれ鼻におちょぼ口、大きな髪飾り(かせ)のこけしがずらりと並ぶ。その愛らしい表情に思わず笑みがこぼれる。鳴子、遠刈田と並びこけしの三大生産地に数えられる土湯。首を回すとキイキイと鳴く“土湯こけし”は、約160年前に誕生したと伝えられる伝統民芸。 今でも9人のこけし工人が伝統を守り継いでいる。製作実演を見学できるところもあるので、土湯の技を間近に感じたい。そんな“こけしの里”に湧く土湯温泉は、荒川の谷あいに広がる自然豊かな温泉地。 春には仁井田沼一面に10万株の水芭蕉が咲き乱れ、秋は渓谷沿いの紅葉で賑わう。冬の幻想的な雪化粧を眺めながらの露天風呂も、また格別だ。
佐藤錦発祥の地・さくらんぼの生産量日本一で知られる「フルーツ王国」東根市にある温泉街。1910年に、干ばつ対策で井戸を掘っていたところ見つかったのをきっかけに温泉地が作られた。島倉千代子による「東根温泉小唄」にも歌われているように、月山(がっさん)や朝日岳などを田畑の向こうに眺める景色が美しい。現在は15軒以上の旅館と4軒の公衆浴場があり、湯めぐりも楽しい。足湯はペットも入れるのが特徴的。公衆浴場と観光物産協会では、入浴券と市内各地の飲食店で使える食事券をセットで販売中。フルーツに限らない山形の豊かな食を、温泉とともに味わってみてはいかがだろうか。
岩手県 花巻温泉郷 花巻温泉
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ…」。“デクノボウ”と呼ぶ理想的人間像を詠んだ宮沢賢治の「雨ニモマケズ」は、今も世代を超え多くの人に読まれている。 人道主義と博愛主義を目指した農業青年、宮沢賢治が“イーハトーブ”と名付けた生まれ故郷、岩手県花巻市。その北西部に花巻温泉が湧く。 現在は桜や松の並木が整備され、賢治が設計した日時計花壇のあるローズガーデンを隣接する北東北随一の温泉リゾート地。東北自動車道・花巻ICからも近く、観光拠点としても便利だ。「慾ハナク決シテ瞋ラズ イツモシズカニワラッテイル(中略)ソウイウモノニ ワタシハナリタイ」。賢治が愛した故郷とじっくり向き合う旅もよい。
日本三景「松島」の素晴らしい絶景を一望できる場所に湧き出す温泉地。源泉は1500mもの地下に貯留した数億年前より地熱で温められた雨水。長い年月をかけて貯蓄された「太古天泉」と呼ばれるこの温泉は 、まさに天からの恵みと地元の人々や温泉客に親しまれている。 効能豊かな温泉にゆったり浸かり、湯浴みを楽しめば、心も身体もほどけて行く時。また、この地ならではの風光明媚な景勝も楽しみの一つ。芭蕉の句に「松 島の月 まず心にかかりて」と詠まれ、2016年には「日本百名月」の地に選ばれた、月夜の景色の美しさは格別だとか。 昼と夜とで趣きの違う景色に心奪われる。太古の温泉と松島の絶景に日頃の疲れもやわらぐ、癒しに満ちた温泉地だ。
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